『METAL GALAXY』を毎日浴びるように聴き続けて3週間余りが経過した頃、わたしの内心にとある思いが去来した──なんつーかこう、もっとメタルを好きになりたいなあ。全部のアルバムを取り揃えたくなるバンドにもっともっと出会いたいなあ。得意のなぜなぜ分…
左隣は長野から遠征のお兄さんだった。音楽を聴くところへ話しかける形になってしまったのにも関わらず、気さくに応じてくださって有難かった。わたしたちは、ファン歴、夢中になったきっかけ、ダークサイドうんぬんなど、随分いろいろの話をした。「もった…
1. IN THE NAME OF 禍々しい雰囲気が充満するトライバルなイントロダクション。ファンカムでは単調に感じたが、スタジオ音源は終始退屈せずに聴ける。ヴォーカルのごそごそとした質感がちょっとデスクロックを彷彿させる。2. Distortion (feat. Alissa White…
1. FUTURE METAL お上品なヒップホップ+無機質なジェント+キラキラ電子音=未来のメタル。わたしは汗臭い職人的芸当を尊ぶ人間だから全然そうは思わないが。2. DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto) 90年代の音をぎゅうぎゅう詰め込んだ言うなればエイベッ…
BABYMETALの新作『METAL GALAXY』をぶるぶると震える手で開封しながら、わたしはほとんど祈りを捧げていたと言っていい──妙ちきりんな楽曲が山盛りの予感がするけれども、どうか好きになれますように。どうか500回聴けるアルバムでありますように。結論か…
BABYMETALの新譜まで1週間を切った今日この頃、またしてもPMCとかいう雑誌が郵便受けに突っ込まれてあったので、これを大変面白く読んだ。なかでも仕事中に思い出し笑いをしてしまうほど印象に残ったのが、蝉のくだりである。裏返しになっていた蝉を元に…
わたしはほとんど風邪を引かない。日々メタルを摂取するのみならず、おや風邪かなと思ったら、(1)常備してある葛根湯を飲み、(2)お気に入りのメタルを聴いたのち、(3)さっさと寝床に這入るからだろう。世界にはメタルがそのうちガンに効くようにな…
さいたまスーパーアリーナ公演のチケットが当たった。2017年の同公演以来、約2年ぶりのライブとなる。うれしいとか、楽しみだとか、やだドキドキ止まんないとかいう以上に、疲労感と安堵感とがクロスオーバーしたような妙な心持ちがする今日この頃であ…
メタルを聴くなかで何やらアジられているなと感じることがある。無論、政治がらみの話ではない。右でも左でもなければ何とか主義の話でもない。けれども、まるで革命家だか扇動者だかの演説に熱狂するかのような、そんな高揚感とカタルシスとをおぼえる瞬間…
新曲『PA PA YA!!』を聴くうちに、ふと懐かしい記憶がよみがえってきた。小学校低学年の頃、珍妙極まる音楽に合わせてクソややこしい踊りを踊らされた、そんな黄色っぽく色褪せた思い出がである。それは『ジンギスカン』と呼ばれていた。何やら異国語で歌わ…
新曲『PA PA YA!!』のスタジオ音源を聴いたわたしは、その音世界が個人的好みの領域から著しく逸脱していること、また、曲がりなりにも食らいつくだけの熱が最早手前の側に残されていないことを、寝起きの煙草を吸いながら案外冷静に受け止めた。ついに引導…
音楽は、体内に取り入れるの意味において、食べ物同然である。したがって、流行りのスイーツを追っかけまわすとか、年代物のワインに凝るとか、ラーメン二郎へ通い詰めるとか、その他いろいろのクソしょうもない比喩が成り立つわけだが、わたしの場合、その…
今年秋に開催される全20公演の米国ツアーで、ついにBABYMETALとアヴァターの共演が実現する。両者のファンとして、また、両者にいくつかの共通点を見出す者として、このお知らせには俄然気持ちが高ぶった。臀部から大腿部にかけて原因不明のかゆみをおぼえ…
かれこれ1年近くBABYMETALを聴かない。新曲のいくつかは味が出てくる程度耳に入れたが、トリオ時分の楽曲や映像に接するのは依然困難だ。我ながらとんでもないナイーブおじさんだなと自嘲する日々である。けれども、わたしはBABYMETALを好きでいたい。かつ…
好きなバンドが出るんだろう期待が空振りに終わったダウンロードで、しかしわたしは大粒の涙を流すことになる。この言うなればポロリ事件が発生した経緯について、以下に詳しく書き記す。スレイヤーの出番に備えて喫煙タイムを取ったのが仇となり、わたしは…
好きなバンドのひとつやふたつは出るんだろう当て込みが外れたので、スレイヤーを山盛りとジューダス・プリーストを少々予習して祭りにのぞんだ。あとは出たとこ勝負で十分楽しめるんだろう腹なのだった。結論から言ってフェスに住みたい。メタルの轟音に全…
この2ヶ月余り、わたしはクリスマスを心待ちにする5歳児さながらウキウキ気分で過ごした。というのも、わたしのキイチ率いるわたしのトリヴィアムがグラミー賞のベスト・メタル・パフォーマンス部門にノミネートされていたからである。結果は惜しくも残念…
前回の投稿で10代20代の若者を散々アジっておいて無責任もいいところだが、しばらくBABYMETALから離れることにした。第1に、YUIMETAL脱退による欠落感が依然として埋まらず、今後埋まる見通しも立たないからである。3人のBABYMETALから数々の感動と興…
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の興奮冷めやらぬ今日この頃、ここらでBABYMETALの掲げるメタルレジスタンスとはいったい何だらうかと再考してみたい。ファンそれぞれの解釈があって然るべき案件である。わたしはあくまでもメタル好きのおっさんだから、「メ…
年齢を重ねるにつれ世界は既視感に満ちてくる。クソの洪水さながら押し寄せる過去の焼き直しをかいくぐり、自分にとって異質で、新鮮で、なおかつ型破り的なものに出会うためには、それ相応の努力が必要になる。そんな努力の一環としてわたしが薄汚い手を伸…
心の準備はできていた。けれども、パンチをもらった痛みを想像をするのと、実際にパンチをもらうのとでは、当然ながら結果はまるで異なるのだった。わたしは全身に謎の倦怠感をおぼえて眠られなくなり、何度となく寝床を抜け出しては換気扇の下でタバコを吸…
ブログを立ち上げてから早2年余りの月日が経過した。小鳥並みに勘の鋭い方ならお気づきだろうが、現在のわたしはBABYMETAL中毒者ではない。BABYMETALを一部分とするメタル音楽の依存症患者である。となると、ブログの看板に若干の偽りが生じているわけだ。…
本を読む最中に風が吹いてくることがある。とはいえ屋外で頁を繰るでもなければ、窓や扉の立て付けが悪くって隙間風が入ってくるでもない。手前のほうで勝手に吹きもしない風を感じるのである。鉄板はスコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』…
野郎どもの音楽ばかりを聴いてきた。所有するCDに占める女性ボーカルの割合はたったの数パーセントにすぎず、自信を持って聴き込んだと言えるアルバムとなるとBABYMETALを含めても10枚に届かない。何故なんだろうと自己分析してみると、異性としての魅力…
近頃BABYMETALのステージに新たな化学反応が起きているように感じられる。そうしてもし気のせいでなければ、そのシナジー効果だか何だかの中心にMOAMETALがいるように思えてならない。わたしはあらためて自問する──MOAMETALとはいったい何者なのか? (1)…
システム・オブ・ア・ダウンの音楽を語るとき、「変態」の2文字を避けて通ることはできない。サージの変態的歌唱とダロンの変態的作曲センスの邂逅、すなわち変態ミーツ変態といった音世界こそが、彼らの最たる魅力と言って差し支えないはずだ。しかしなが…
待ちに待ったBABYMETALの新曲『Distortion』が先日リリースされた。「これまた随分と若々しい曲だなあ」というのが率直な感想である。何しろメロディラインが若々しい。従来の歌謡曲の流れを汲むようなメロディラインではなく、近年のJポップのトレンドを意…
神奈川県は秦野市にある白笹稲荷神社を訪ねた。折しも骨董市が開催されており、参道から拝殿にかけて、陶器や置き物、古道具などを売る露店が並んでいた。この新緑、この青空、この鳥居の朱塗り、この春のうららかな日差し──いったいどういうわけか、わたし…
去る4月1日の午後7時過ぎだった。BABYMETAL公式のお知らせ動画に何やら不穏な空気を感じ取ったわたしは、ややあって更新されたアーティスト写真を見て茫然自失となった。メンバーが3人から10人に激増しているうえ、誰が誰なんだかわからない。言葉を失…
河出書房新社の「奇想コレクション」を集めるでもなく集めている。新品と中古とを問わず、見かけたら、そうして表紙が気に入ったら買うという方式で、気がつけば大半を所有するに至っている。ハズレも混ざっているが概ね面白く読めるし、なかには「これぞ奇…