その他いろいろ
わたしはほとんど風邪を引かない。日々メタルを摂取するのみならず、おや風邪かなと思ったら、(1)常備してある葛根湯を飲み、(2)お気に入りのメタルを聴いたのち、(3)さっさと寝床に這入るからだろう。世界にはメタルがそのうちガンに効くようにな…
音楽は、体内に取り入れるの意味において、食べ物同然である。したがって、流行りのスイーツを追っかけまわすとか、年代物のワインに凝るとか、ラーメン二郎へ通い詰めるとか、その他いろいろのクソしょうもない比喩が成り立つわけだが、わたしの場合、その…
今年秋に開催される全20公演の米国ツアーで、ついにBABYMETALとアヴァターの共演が実現する。両者のファンとして、また、両者にいくつかの共通点を見出す者として、このお知らせには俄然気持ちが高ぶった。臀部から大腿部にかけて原因不明のかゆみをおぼえ…
この2ヶ月余り、わたしはクリスマスを心待ちにする5歳児さながらウキウキ気分で過ごした。というのも、わたしのキイチ率いるわたしのトリヴィアムがグラミー賞のベスト・メタル・パフォーマンス部門にノミネートされていたからである。結果は惜しくも残念…
本を読む最中に風が吹いてくることがある。とはいえ屋外で頁を繰るでもなければ、窓や扉の立て付けが悪くって隙間風が入ってくるでもない。手前のほうで勝手に吹きもしない風を感じるのである。鉄板はスコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』…
神奈川県は秦野市にある白笹稲荷神社を訪ねた。折しも骨董市が開催されており、参道から拝殿にかけて、陶器や置き物、古道具などを売る露店が並んでいた。この新緑、この青空、この鳥居の朱塗り、この春のうららかな日差し──いったいどういうわけか、わたし…
河出書房新社の「奇想コレクション」を集めるでもなく集めている。新品と中古とを問わず、見かけたら、そうして表紙が気に入ったら買うという方式で、気がつけば大半を所有するに至っている。ハズレも混ざっているが概ね面白く読めるし、なかには「これぞ奇…
メタル歴10年余りにして先月ついにアイアン・メイデンにたどり着いた。到底無理だろうと思っていただけに感慨もひとしおである。しかも単にたどり着いただけでなく、マジかっこいいぜヒャッハーと感じた。そう感じられた手前の変化にちょっと感動してしま…
いまいち合わないなと思って遠ざけていた音楽が、半年から数年、あるいはもっと長い空白をあいだに置いて何気なく聴いてみたときに、危うくパニック状態に陥るほど心を揺すぶってくることがある。わたしたちはそのたびに「は? ウソだろ? こんなに良かった…
いまになって考えるとめちゃくちゃな話だが、最初はエイプリルフールの悪い冗談だと思った。寝起きで頭がぼんやりしていたわたしは、つい先日おせち料理を食べたことや、初詣に出掛けたことなどをすっかり忘れて、その見出しの意味するところを何がなんでも…
打ち明けて言うが、わたしは二十歳やそこらの数年間、俗に言うところの「追っかけ」をやっていた。相手は60代後半の老紳士だった。数々の言論人を世に送り出した知る人ぞ知る権威なのにも関わらず、軽妙洒脱にして気取らない話しぶり、ゆるキャラみたいな…
わたしのBABYMETALが「21世紀で最も重要なメタルバンド50」に選出されたというので、早速ラウドワイヤーのウェッブサイトを訪ねた。残り49組の顔ぶれをうんぬんすると同時に、未知のバンドがあれば片っ端からYOUTUBEへ問い合わせてやる腹なのだった。…
以前取り上げたスウェーデン出身のヘヴィメタル・バンド、アヴァターが、来年早々新しいアルバム『アヴァター・カントリー』をリリースする旨の情報を得た。先行公開されたMVを以下に紹介したい。Avatar - A Statue Of The King - YouTubeこの野郎やりやが…
巨大キツネ祭り前のわたしは以下のように考えていた。(1)両日とも出席するのだからほとんどの楽曲が体験できるだろう。(2)アリーナなのだから女の子たちを間近に見られるはずだ。(3)したがってライブ行きたい病もひとまず小康を得るのではないか。…
5大キツネ祭りへの参加が夢と消えた土曜日、わたしの心と体とは底の抜けたペール缶のように行き抜けになってしまった。みぞおちの辺りが馬鹿にすぅすぅし、何を飲み食いしても満たされず、結局のところアンラッキーとしか名状しようのない、それ以上でもそ…
鎌倉の佐助稲荷神社を訪ねた。瀟洒な家々の左右に軒を連ねる曲がりくねった路地をしばらく歩くと、新緑と鳥居の朱塗りとが織りなす鮮やかなコントラストが目に飛び込んできた。 例によって内心のみだりにざわざわする道行きである。いわゆる潜在意識がいくつ…
BABYMETALに出会ってだいたい1年が経過した。相手が相手ならそれなりの贈り物を用意すべき局面である。「だいたい」などと言葉を濁さざるを得ない不行き届きについて、もっともらしい言い訳を案出すべき局面でもある。あいにくと言うべきか、有難いことにと…
BABYMETALが表立った動きを見せない今日この頃、わたしはスウェーデン出身のヘヴィメタル・バンド、アヴァターに夢中である。アマゾンの野郎が相変わらず愚図々々しているので、不本意ながらひとつ飛ばして最新アルバムを手配した。するとヴァッケン・オープ…
BABYMETALがステージ裏へ引っ込んで1ヶ月余りが経過し、日常はかつての落ち着きを取り戻しつつある。わたしは日々適量のメタル音楽を聴き、週に数本の映画を観て、毎晩自然とまぶたが閉じるまで本を読んでから、いびきと寝言と寝返りの世界に落ちていく。先…
日々の音楽漁りに一定の成果が見られたので以下に報告する。(1)Watcha-And The Beat Goes On - YouTube某所で紹介してもらったフランスのニューメタル・バンド。聴いた瞬間「これだああ!」と小躍りした。ディスコとメタルの見事な融合と評すべき快作であ…
若い頃のわたしはヘヴィメタルを毛嫌いしていた。生まれて初めて見聞きしたメタルバンドがあのエックスだったからである。見た目、音楽性、世界観、何もかもが生理的に無理であり、足がすくむほどの文化的隔絶を感じた。そうして「ヘヴィメタル=化粧した男…
わたしが所有するBABYMETALのアルバムに異変が生じている。台風16号が関東地方に大雨を降らせたあの夜からというもの、ライブ盤に勝るとも劣らない生々しい音を鳴らしてよこすようになったのだ。記憶である。いまだ胸のうちにくすぶる東京ドーム公演の記憶…
歪(ひず)んだギターの音がたまらなく好きだ。とりわけブリッジミュートのバイオレンスな鳴りにぞっこん首ったけである。かつては避けて通っていたメタルの界隈に移り住んだのも、より変態的なブリッジミュートを欲しがった結果と見てまず間違いない。言い…
「はあ、ドーム最高だったなあ」最近やけに独り言が増えた。小さく折り畳んで引出しの奥に突っ込んだはずの心の声が、どうやら漏れ出してしまうらしいのだ。何しろくすぶっている。わたしの胸はいまだトーストみたいにあったかだ。「またライブ行きたいなあ…
信じられますか? わたしはBABYMETALを聴くようになってしばらくのあいだ、女の子たちがやたらとかわいいことに気付かなかった。歌や踊りに半ば暴力的な可愛らしさを感じていたのは確かだ。しかしそれはあくまで全体から受ける圧力のようなものであって、個…
東京ドーム公演のチケットが当たった。まさかの急展開に自分でも驚いている。何しろ当初は静観する構えだった。へええ? 東京ドーム? 2日で11万人? いいなあ、さぞかし盛り上がるんだろうなあ、いつか生で観てみたいなあBABYMETAL、といった具合に得意…
車で1時間ほどの界隈にちょっと有名なお稲荷さんがあるというので行ってみた。何でも例の伏見稲荷大社から分霊してもらって建てた神社なんだそうだ。境内に足を踏み入れた瞬間、わたしの脳内で『メギツネ』の再生ボタンが押されたことは言うまでもない。わ…