小論文
BABYMETALの新譜まで1週間を切った今日この頃、またしてもPMCとかいう雑誌が郵便受けに突っ込まれてあったので、これを大変面白く読んだ。なかでも仕事中に思い出し笑いをしてしまうほど印象に残ったのが、蝉のくだりである。裏返しになっていた蝉を元に…
メタルを聴くなかで何やらアジられているなと感じることがある。無論、政治がらみの話ではない。右でも左でもなければ何とか主義の話でもない。けれども、まるで革命家だか扇動者だかの演説に熱狂するかのような、そんな高揚感とカタルシスとをおぼえる瞬間…
新曲『PA PA YA!!』を聴くうちに、ふと懐かしい記憶がよみがえってきた。小学校低学年の頃、珍妙極まる音楽に合わせてクソややこしい踊りを踊らされた、そんな黄色っぽく色褪せた思い出がである。それは『ジンギスカン』と呼ばれていた。何やら異国語で歌わ…
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の興奮冷めやらぬ今日この頃、ここらでBABYMETALの掲げるメタルレジスタンスとはいったい何だらうかと再考してみたい。ファンそれぞれの解釈があって然るべき案件である。わたしはあくまでもメタル好きのおっさんだから、「メ…
心の準備はできていた。けれども、パンチをもらった痛みを想像をするのと、実際にパンチをもらうのとでは、当然ながら結果はまるで異なるのだった。わたしは全身に謎の倦怠感をおぼえて眠られなくなり、何度となく寝床を抜け出しては換気扇の下でタバコを吸…
野郎どもの音楽ばかりを聴いてきた。所有するCDに占める女性ボーカルの割合はたったの数パーセントにすぎず、自信を持って聴き込んだと言えるアルバムとなるとBABYMETALを含めても10枚に届かない。何故なんだろうと自己分析してみると、異性としての魅力…
近頃BABYMETALのステージに新たな化学反応が起きているように感じられる。そうしてもし気のせいでなければ、そのシナジー効果だか何だかの中心にMOAMETALがいるように思えてならない。わたしはあらためて自問する──MOAMETALとはいったい何者なのか? (1)…
去る4月1日の午後7時過ぎだった。BABYMETAL公式のお知らせ動画に何やら不穏な空気を感じ取ったわたしは、ややあって更新されたアーティスト写真を見て茫然自失となった。メンバーが3人から10人に激増しているうえ、誰が誰なんだかわからない。言葉を失…
わたしがもっぱら洋楽を聴く理由の第3位は、「歌詞がダイレクトに理解できないのがかえって有難いから」である。かろうじて聞き取れたいくつかの単語を手掛かりに、でたらめな想像力の翼を羽ばたかすスタイルが性に合っているらしい。ところが最近、そのス…
10年前に買ったウォークマンがほんの数時間で力尽きてしまうので、新しいデジタル音楽プレイヤーを取り寄せることにした。これに手持ちのCDから選りすぐったメタル約500曲を落とし込み、シャッフル再生して楽しむ魂胆なのだった。さて、結論から言っ…
わたしの憶測が正しければ、BABYMETALのサードアルバムはすでに出来上がっているはずである。したがって今更おねだりしても遅いのだが、しかしそれを言えば、一介のファンごときが(以下略)(1)メタルとディスコのクロスオーバー くどいようだが重ね重ね…
わたしたちがBABYMETALに観るものは、何も目に見えるものばかりではない。3人それぞれの人間性のようなものが相補的に作用しながら、歌と踊りとを通じて素晴らしく調和する有様を観るのである。SU-METALはステージの申し子と呼ぶに相応しい肝っ魂の持ち主で…
部屋にフー・ファイターズのポスターが吊るしてある。引っ越して間もない頃に購入したものだから、かれこれ10年来の付き合いになる。けれども10年前というと、わたしの音楽的関心はすでにフー・ファイターズを離れ、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エ…
二十歳やそこらの若々しい自分でBABYMETALに出会いたかった。当時のフルーツゼリーみたいな感受性でもってBABYMETALを体験できたなら、それはそれは愉快だろうと思うのだ。しかし何しろ手立てがない。おっさんの心と身体とをいっぺんに若返らせるなど最先端…
かれこれ半年ほど前、「BABYMETALは何故泣けるのか」という文章を書いた。ズッキーニサイズの1本糞をひねり出すに等しい難業であったと記憶するところだが、いまになって読み返すと何だか少々物足りなく感じられる。とっつきやすさやわかりやすさを優先する…
愚問である。メタル歴10年弱の鼻垂れ小僧にさえ、自信満々でこう断言することができる。お嬢さん、ご安心なさい、あれは正真正銘のヘヴィメタルなんですよと。しかし一方で「BABYMETALはメタルに非ず」と息巻く人々が世界中に数多く存在する。彼らの主張は…
これまでに何度となく述べた通り、わたしはアイドルを度外視して生きてきた。それは人生のかなり早い段階で「興味なし」の箱に仕分けられた何だかんだのひとつなのだった。ところが昨年の春、状況は一変した。女の子たちの画像で日々目方を増すスマホひとつ…
BABYMETALを観たり聴いたりしていると、大はしゃぎする意識に一瞬の空白が生じることがある。そうして以下のように自問するのだ。「俺はいったい何をやっているんだ?」何しろ向こう側とこちら側とのギャップが尋常ではない。かたや想像の世界から抜け出して…
2014年7月5日の午後8時過ぎ、わたしはどこで何をしていたのだろう。おおかたJリーグ中継でも見ながら食後のデザートを頬張っていたに違いない。 ちょうどその頃、BABYMETALはソニスフィア・フェスティバルのメインステージに立っていた。神バンドが…
BABYMETAL漬けの日々に一抹の不安を感じた。何しろわたしはチューインガムの味が永遠に続くものではないことを知っている。幸せの絶頂にいるときほど不幸せな未来を空想するのが人間の性でもある。「消費の速度は適正か?」とこのように自問したわたしは、当…
BABYMETALが現在もカラオケでライブをやっていたらと考えることがある。ここまで夢中になれただろうか? ライブDVDやネット動画を繰り返し観ただろうか? まして東京ドーム公演のチケットを手に入れただろうか?何しろ人間の半分はつまらない偏見、ろくで…
わたしの見立てによれば、メタル音楽はマッチョイズム(男っぽさの誇示)とナルシシズム(自己陶酔)の混合物である。その混ぜ合わせはバンドや楽曲によっていろいろだが、例えば「あのバンドは7:3の割合でナルシシズムが強いね」とか、「やつらは8:2…