あんたのどれいのままでいい

BABYMETAL中毒者の手記

YUIMETALは微笑みかける

心の準備はできていた。けれども、パンチをもらった痛みを想像をするのと、実際にパンチをもらうのとでは、当然ながら結果はまるで異なるのだった。わたしは全身に謎の倦怠感をおぼえて眠られなくなり、何度となく寝床を抜け出しては換気扇の下でタバコを吸った。

「あー、残念だ」とつぶやく自分の声をわたしは耳にした。「まあでもこればっかりはなー、仕方ないよなー」とか何とか言うのも聞いたように思う。

翌朝、のろくさと起きて歯を磨き、顔を洗い、薬缶を火にかけてから居間へ戻ると、テーブルの上に何やら手紙のようなものが置いてあるのに気づいた。どういうわけか身に覚えはないが、筆跡からしてわたしが書いた文章であることは確かだ。以下にその全文を引用する。

『YUIMETALありがとう。8年間お疲れ様でした。あなたがこれまでにやってきたことは、比喩的に言えば、見知らぬ誰かにそっと寄り添い、にっこりと微笑みかけ、肩をポンと叩き、ときには背中をさすってあげることでした。そうやって国籍、性別、年齢を問わず、世界中の何十万いや何百万という人間に、元気や勇気や希望を与えたのです。だから謝る必要などこれっぽっちもないんです。むしろ誇りに思ってください。並の人間にできることじゃありませんし、すべてはあなたの才能と努力の賜物なのですから。さて、水野由結さん、あなたの今後が楽しみです。あなたの新たな夢が叶うことを信じて止みません。陰ながら応援させていただきます。それでは最後にお約束のあれを。キツネサインの準備はよろしいか。ウィーアー? ベビーメタール! シーユー!』

おお、なんという下手クソな字。判読不能な部分があったことをここに告白しておきたい。でもこれが本当のところです。ゆいちゃんありがとう。お疲れ様。

最後に以下の楽曲をYUIMETALへの、いや、水野由結へのはなむけの歌にしようと思う。歌詞はかなりエキセントリックだが、まあ、まあ、まあ、何にせよである──苦悩の日々を乗り越えた先に輝かしい未来が待っている的な内容と言って概ね差し支えないだろう。

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メイビーサムデーイ!