あんたのどれいのままでいい

BABYMETAL中毒者の手記

BABYMETAL with AVATAR

今年秋に開催される全20公演の米国ツアーで、ついにBABYMETALとアヴァターの共演が実現する。両者のファンとして、また、両者にいくつかの共通点を見出す者として、このお知らせには俄然気持ちが高ぶった。臀部から大腿部にかけて原因不明のかゆみをおぼえ、なかなか寝つけないほどであった。

さて、両者の共通点とは何だろう。(1)ジャンル横断的な楽曲を作る。(2)ちょいちょいストレンジ感を差し込んでくる。(3)演劇的および劇場型のステージングを志向している。(4)見てくれのインパクトが強すぎてキワモノ扱いされがち。

こうも似た者同士なのだから共演は時間の問題だろうと思っていたが、まさかこのタイミングで実現するとは予想だにしなかった。そこで今回はアヴァターの楽曲をいくつか紹介し、世に言う周知活動をやってみたい。

Avatar - A Statue Of The King (Official Music Video) - YouTube
インタビュー記事によると、彼らは1台のパソコンを共有して楽曲を制作するんだそうだ。だからこそ、このようにパッチワーク的な、いい意味でとんちんかんな代物が出来上がるのかもしれない。ボーカルのヨハネスはクリーンボイスからデスボイス、スクリームからハイトーンまで、様々な歌唱法を自在に使い分ける。

Avatar - Hail The Apocalypse (Official Music Video) - YouTube
わたしはこの楽曲でアヴァターを好きになった。やや定型的と言えなくもないグルーヴメタルを展開しつつも、しかしギターワークに独特の軽やかな味わいがある。これは途中加入したギタリスト(ドレッドではなくカイゼル髭のほう)の趣向に拠るところが大きいらしい。それにしてもこのリフだ。このリフは傑作だ。

Avatar - Vultures Fly (Live at Wacken Open Air 2015 / Proshot) - YouTube
一転してインダストリアルかつディスコテークな楽曲になる。メンバーがマリリン・マンソンの影響を語っているのも納得のサウンドなのだった。話はガラリと変わるが、ネットの書き込みやライブ映像を見る限り、アヴァターは女性ファンの比率が高い。おやと思ってよくよく見てみると、野郎ども結構ハンサムである。

Avatar - The Eagle Has Landed (Official Music Video) - YouTube
民族音楽風の旋律をメタルに落とし込むという手法も、このバンドの持ち味のひとつと考えていいだろう。どこかトホホ感の漂うイントロから重厚なメインリフへの転換、そうしてツインリードのハーモニーによるギターソロまで、実に見事な出来であり、終始楽しく聴ける。そう、アヴァターは愉快なメタルバンドなのだ。

日本国内のファンはアヴァターの来日公演を待ち望んでいる。もし彼らの初来日がBABYMETALによってもたらされるとすれば──いやいや、そんな夢のような展開を期待してはいけない。万が一そんなことが起きたら全身がかゆくなって一睡もできないでしょうが。