あんたのどれいのままでいい

BABYMETAL中毒者の手記

ライブ行きたい

5大キツネ祭りへの参加が夢と消えた土曜日、わたしの心と体とは底の抜けたペール缶のように行き抜けになってしまった。

みぞおちの辺りが馬鹿にすぅすぅし、何を飲み食いしても満たされず、結局のところアンラッキーとしか名状しようのない、それ以上でもそれ以下でもない現実の明快さ、素っ気なさ、デリカシーのなさに毎度ながら嫌気がさすのだった。「なんでだよ、ライブ行きたいのに」ーー気のせいでなければ、わたしは自分がそうつぶやくのを幾度か耳にした。

何しろ東京ドーム公演の大はしゃぎから8ヶ月である。待ちに待った小箱ツアーを逸するとなると、さらにどれだけの時間をみぞおちのすぅすぅするまま過ごさねばならないのか。

ここで想起せられるのは映画『マグノリア』の一場面にほかならない。決して叶わぬ恋と知りながら、親子ほども年の離れたゴリマッチョなバーテンダーに想いを寄せる冴えない中年男、ウィリアム・H・メイシー演じる家電販売員の悲痛な叫びが、わたしの脳内にこだまするーー「愛はこんなにいっぱいあるのに、その持って行き場がわからないんだ!」

深々と共感せざるを得ない。彼にとってのゴリマッチョ、わたしにとってのBABYMETAL、そこにどれほどの違いがある?

巨大キツネ祭り開催の一報が飛び込んできた昼休み、したがってわたしは1マイクロ秒も躊躇しなかった。なんやかんやの煩瑣な手続きをやっつけて後日例の長々しいTシャツを入手すると、ザワン先行チケットの抽選へ駒を進めたのである。その結果はーー

おや? なになに? やったー! さいたまスーパーアリーナ2日とも当たったぜー! なるほどなるほどー! これが噂に聞くラッキーってやつかー! キツネの神様あざーす! 行くぜ埼玉!

ちなみにこのとき、わたしの脳内ではスピッツの名曲『正夢』がわんわん鳴り響いていた。重症である。ほとんど恋の病と言っていい。

さて、当ブログは本日しれっと再スタートを切る運びとなった。先のごたくさにより見物客に糞を投げつけるゴリラの胸中がおおむね理解できたことをご報告させていただく。糞の被害に遭われた皆さまへーーハハッ! アンラッキー!