あんたのどれいのままでいい

とあるBABYMETAL中毒者の手記

好きな曲ベスト5

今回はBABYMETALの好きな曲ベスト5を発表するつもりである。であるが無事やり遂げられるかどうかはわからない。何しろわたしはこの件について考えるとき、原因不明の息苦しさを覚えるのだ。

試しに5と4ばかりが並ぶ通信簿を思い浮かべてほしいーーというのも、わたしにとってのBABYMETALがちょうどそんな状態なのだ。つまり「めちゃくそ好きな曲」と「くそ好きな曲」しか存在しないんである。そのうえ好きの度合いは日々変動する。選ぶに選べない。

これが例えばスリップノットなら直ちに出揃う。上から順に『The Devil In I』、『Psychosocial』、『Gematria (The Killing Name)』、『AOV』、『Three Nill』といった具合だ。お察しの通り、わたしの好みは3枚目以降であり、狂気と混沌とがごりごり押し寄せてくる初期よりも、静と動のコントラストとでも言うべきかーー

いけない。つい楽なほうへ流されてしまった。今回のわたしは特別な使命を帯びている。字数が尽きるまでに何とかしてベスト5を発表せねばならない。

しかし考えれば考えるほど息苦しさは増してくる。ブログのネタだからって迂闊な真似をしようものなら、選に漏れた曲たちに申し訳が立たないではないか。今後どのような態度で接すればいいのだろう。こうした罪悪感のようなものが息苦しさの原因なのかもしれない。

このままでは立ち往生なので、打開の一手として次のような思考実験を試みたいーー「無人島で生活するのに5曲だけ持っていけるとしたら?」

断る。何が打開の一手だ。そんなふうにぐいぐい締めつければ降参するとでも思ったか、このブタ野郎め。そもBABYMETALの全楽曲はわたしの脳内にてほぼ完全な再現が可能である。だからわたしはたとえ何もかも奪われて島流しにされたって毎日楽しくBABYMETALを聴くことができるのだ。ハッハッハー、どうだ参ったか。

さて、そろそろ字数が尽きるようだ。肝心のベスト5はどうなるのか。結果は下のほうをご覧いただきたい。













1位 紅月 -アカツキ
2位 NO RAIN, NO RAINBOW
3位 悪夢の輪舞曲
4位 Amore -蒼星-
5位 残りのすべての曲

❇︎2017年12月2日付のベスト5です。すぅちゃん広島凱旋ライブおめでとう!

なんという微笑ましさ

わたしのBABYMETALが「21世紀で最も重要なメタルバンド50」に選出されたというので、早速ラウドワイヤーのウェッブサイトを訪ねた。残り49組の顔ぶれをうんぬんすると同時に、未知のバンドがあれば片っ端からYOUTUBEへ問い合わせてやる腹なのだった。

その結果、デス・クロックなるバンドが耳に留まった。何でも『メタロカリプス』というアニメシリーズに出てくる架空のバンドなんだそうだ。エピソードごとに新曲を披露する馬鹿に太っ腹な方式で、すでに4枚のアルバムをリリースしているらしい。

Dethklok - Face Fisted [MV] - YouTube
(PG12相当の一風変わった内容です。よい子のみんなはパパやママと一緒に観てね!)

第1にサウンド・プロダクション(音作り)がわたし好みである。第2に楽曲を構成するリフがどれもこれも気持ちいい。第3にまるで排水口にイモを詰まらせたかのような、あるいは段ボール箱の底をゴソゴソゴソゴソ手探りするかのような歌声が不思議と癖になってくる。

めずらしく歌詞が気になったので調べてみると、コーラスの部分はおおむね以下のような内容だったーー「お前はクソ弱い/俺はクッソ強いぞ/その通り/お前はクソ弱い/俺はクッソ強いぞ/その通り/お前はブサイクだ/お前はうすのろだ/お前の母ちゃん百貫デブ/お前の母ちゃん裏切り者をしゃ◯った/お前は間違いだ/お前はケーキとファ◯クする/(以下、同様の子供じみた悪態が続く)」

おお、なんという、なんという微笑ましさ。

そうこうするうちにトリヴィアムの新作『ザ・シン・アンド・ザ・センテンス』と、デス・クロックのファースト『デスアルバム』の2枚が我が家に届いた。

どちらも素晴らしい出来なのだが、このところ劇的に耳に馴染んできたのがトリヴィアムの新作である。10回以上聴いてようやく各楽曲への理解が一段深いレベルに到達したらしく、当初とは少々異なる色、味、匂い、手触り、奥行きなどがそこはかとなく感じられてくるのだから楽しくて仕方ない。打ち明けて言えば、彼ら4人に会いに行きたい気持ちは募るばかりである。

いまのうちにいろいろ聴いておく。何しろBABYMETALの新しいアルバムが出たら、控えめに見積もって半年はほかの音楽が耳に入らなくなるだろうからだ。

ストレンジ感の塊

以前取り上げたスウェーデン出身のヘヴィメタル・バンド、アヴァターが、来年早々新しいアルバム『アヴァター・カントリー』をリリースする旨の情報を得た。先行公開されたMVを以下に紹介したい。

Avatar - A Statue Of The King - YouTube

この野郎やりやがったなというのが率直な感想になる。持ち味の支離滅裂さ、自由奔放さ、馬鹿馬鹿しさ、インチキ臭さ、珍妙さ、何もかもがパワーアップするのみならず、見るものの苦笑を誘うスベり芸にも一段と磨きがかかっているではないか。なるほど、彼らは彼らで彼らなりのメタル・レジスタンスを鋭意継続中らしい。

好きな映画に以下のような台詞があるーー「我々が過去を置き去りにしても、しかし過去は我々をどこまでも追いかけてくる」

いかにも遠い目をせざるを得ない。何しろわたしが音楽に耳を貸しはじめた時分に聴いていたのは、電気グルーヴユニコーンすかんちなどといったアーティストだった。つまり電気グルーヴの馬鹿馬鹿しさ、ユニコーンの自由奔放さ、すかんちのインチキ臭さ、これらを言うなれば音楽的原体験に持つ身だからこそ、このアヴァターという、何やらストレンジ感の塊のようなバンドに興味を掻き立てられるのではあるまいかーーいや、そう自己分析しておいてまず間違いのないところだろう。

思えばBABYMETALに傾倒していく過程においても、そうしたストレンジ感への耐性、ないしは意識されざる寛容性のようなものが働いたはずである。もしかするとわたしの潜在意識は、そこにギ・おならすいこみ隊との類似を嗅ぎ取っていたのかもしれない。

WTF Music Clip! おならすいこみ隊 - YouTube

ハハッ! 改めて観るとすげーな! この世界観! このフォーメーション! この歌と踊りの圧倒的なストレンジ感! ほとんどBABYMETALじゃないすか! 俗に言う完全に一致のやつじゃないすか! どうですかお父さん!

❇︎記事の内容に一部不適切な表現がありましたことを深くお詫び申し上げます。

クサカッコイイ

巨大キツネ祭り前のわたしは以下のように考えていた。(1)両日とも出席するのだからほとんどの楽曲が体験できるだろう。(2)アリーナなのだから女の子たちを間近に見られるはずだ。(3)したがってライブ行きたい病もひとまず小康を得るのではないか。

オランダのことわざに曰く「Roast geese don't come flying into your mouth.(ローストグースは口のなかに飛び込んでこない)」ーーハハッ! 面白い言い回し!

現実はいつだって不如意である。そうして不如意なる現実の最新のやつがSU-METALの聖誕祭である。12月2日と3日、広島グリーンアリーナにて開催、チケットは各日2万円。わたしにいったい何ができる? デ・ニーロよろしく肩をすくめて苦笑する以外に何が?

ところで最近はトリヴィアムばかり聴く。約2年間にわたって『ザ・クルセイド』、『将軍』、『イン・ウェイブス』、『ヴェンジャンス・フォールズ』と順繰りに経てきたわけだが、ここへきてすっかり首ったけになってしまった。なかでも『ヴェンジャンス・フォールズ』には相当な中毒性を認めざるを得ない。

Trivium - Strife [OFFICIAL VIDEO] - YouTube

何しろクサさとカッコよさの乙なハーモニー、言うなればクサカッコイイのヴァイブスが現時点のわたしにちょうどいい。暴力的にして几帳面な刻み、匂い立つようなツインリードのハモり、歌謡曲まがいのキャッチーなメロディーー全部だキイチ、全部がすこぶるちょうどいいぞキイチ。また逆から言えば、こうした正統派のクサカッコイイあれこれを心底楽しめるようになった自分自身の変化、あるいは馴化、ひいては鋼鉄魂の深化を実感せずにはいられない。

こうなると例の大御所バンドがおのずと視野に入ってくる。トリヴィアムしかり、少し前に『ザ・ポイズン』を聴いて好印象を持ったブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインしかり、例の大御所バンドの影響抜きには決して鳴らせない音を鳴らしているからだ。

メタル歴10年にしてようやくたどり着くらしい。とりあえずベストでも買おうかな、アイアンメイデン。

巨大キツネ祭り(SSA)9/27

アリーナCブロックの前から3列目ーーある種の割り切りが求められるポジションを得たわたしは、やはり例によって両隣の人に話しかけることにした。

右隣は少し会話しただけでそれとわかるメタラーお兄さんだった。ドリームシアターの大ファンとのことで、是非ともテイルズが観たいんですと熱い胸のうちを語っていた。左隣はファン歴5年にして赤ミサ皆勤賞というお姉さんだった。なんでも赤ミサの会場はとてもいい匂いがするんだそうで、これには思わず「今日はどうもすいません」と謝罪の言葉が口をついて出た。

そうこうするうちに例の7連打が鳴り響き、わたしは鉛色の現実に別れを告げた。セットリストは以下の通り。

1.BABYMETAL DEATH
2.ギミチョコ!
3.メギツネ
4.(神バンドソロからの)ヤバッ!
5.アカツキ -紅月-
6.GJ!
7.シンコペーション
8.META! メタ太郎
9.イジメ、ダメ、ゼッタイ
10.KARATE
11.ヘドバンギャー!!
12.Road of Resistance
13.THE ONE(英語Ver.)

前日を上回る熱狂がわたしをつらまえた。女の子たちの姿は24時間前に比べて心持ち大きく見える程度だったから、自ずと目視確認より大はしゃぎを優先する形になった。念願の「やだやだやだやだネバネバネバー!」を全力で合わしていくのは無論のこと、初めての「もっともっとほら!」、2日連続の「スキ、キライ」、その他いろいろを大変有難く頂戴した。

ライブが後半戦に突入し、『イジメ、ダメ、ゼッタイ』の紙芝居が始まったときである。右隣のメタラーお兄さんからウォール・オブ・デスへのお誘いを受けた。マジですかと答えて振り返ると、わずか4、5メートルの背後に早くも人垣が出来ていた。わたしは迷いを振り払った。ここでやらなきゃいつやるんだと自分に言い聞かせた。そうしてお兄さんのあとに続いてウォール・オブ・デスの輪に加わったのだった。

結果から言って、わたしは左膝に擦過傷を負った。最初の飛び込みでモッシュッシュしてから引き返す際、何かしら不手際をやらかしたらしい、次に踏み出した足がむなしく宙を蹴り、そのまま前のめりに倒れ込んでしまったのである。すかさず助けてくれた見知らぬおじさまに改めてお礼を申し上げたい。ぶざまに転倒したのも驚きなら、一瞬で助け起こされたのも驚きだった。何もかもがはてなと思う間の出来事で、ふと気がつくと左の膝小僧に懐かしい痛みをおぼえた次第である。

その後のわたしは「熱狂」を超えて「狂騒」の領域に足を踏み入れたように思う。ウォール・オブ・デスという通過儀礼を曲がりなりにも経た手応えからだろうか、ライブへの没入感が一段と増したのだ。

絶え間なく打ち寄せるカワイイメタルの轟音に全身全霊を捧げること、女の子たちの凜とした姿をこの目に焼きつけること、BABYMETALが紡ぎ出す壮大かつエキセントリックな物語の一部分になることーー冴えないおっさんはそれらすべてをやり遂げた。すべてをやり遂げて、愛おしさと、誇らしさと、感謝の気持ちとで胸がいっぱいになったとき、SSA公演2日目のショーはまるでうたかたの夢のように幕を閉じたのだった。

以上が48時間に及ぶ逃亡劇のあらましである。