あんたのどれいのままでいい

BABYMETAL中毒者の手記

東京ドーム

東京ドーム公演のチケットが当たった。まさかの急展開に自分でも驚いている。

何しろ当初は静観する構えだった。へええ? 東京ドーム? 2日で11万人? いいなあ、さぞかし盛り上がるんだろうなあ、いつか生で観てみたいなあBABYMETAL、といった具合に得意の先送り主義を決め込んでいたのだ。

そんなある日、わたしは禁断の盗撮映像を目の当たりにする。某夏フェスのステージを隠し撮りしたらしい数十秒足らずの動画だった。

何が起こるかなと思ってスマホの画面を凝視していると、いまやメタルクイーンとして世界に名をとどろかすSU-METALその人が、どういうわけか両手でマイクを握り、いつになくもじもじした様子で以下のような言葉を発したではないか。

「みんなの声聞かせて? 一緒に歌ってくれる?」

わたしは急性かわいい中毒を発症した。「なーにーそーれーかーわーいーいー!」が第一声なのだった。そこへ手足をばたばたさせる謎の運動が加わって、もはや自分が自分でなくなるような危機感をおぼえた。気持ちを整理すべく居間と台所とを行ったり来たりしていると、にわかに自分自身に対する怒りが湧き上がってきた。

ぐずぐずしやがってこのインポ野郎! お前の「いつか」や「そのうち」にはもううんざりなんだよ! 行けばいいでしょうが東京ドーム! 米粒だの音響だの仕事だのって細けえこたぁどうでもいいんだよ! とにかく行け! 女の子たちに会いに行け!

そんなわけで来月の20日、わたしははじめての生BABYMETALを体験することになる。