あんたのどれいのままでいい

BABYMETAL中毒者の手記

細胞が欲しがるサウンド

音楽は、体内に取り入れるの意味において、食べ物同然である。したがって、流行りのスイーツを追っかけまわすとか、年代物のワインに凝るとか、ラーメン二郎へ通い詰めるとか、その他いろいろのクソしょうもない比喩が成り立つわけだが、わたしの場合、そのときそのときで全身約37兆個の細胞が欲しがるサウンド、これの摂取にこだわって音楽を選ぶ。

細胞の欲しがるサウンドに出会うには、やつらの声なき声に耳を貸さねばならぬ。すなわち言葉を離れ、頭を空っぽにし、と同時に五感を研ぎ澄まして、あたかも腹をぐうぐう鳴らしながらデパ地下を徘徊する人のように、ネット空間をうろつけばそれでよろしい。遅かれ早かれやつらの声は聞こえてくる。

そうやって最近見つけたのが、ライジュウとかいうプログレッシヴ・メタルのバンドなのだった。

Raiju - "Away With Words" (OFFICIAL LYRIC VIDEO) - YouTube

ハッハッハ。なるほどなるほど。こいつはなかなかの変てこりんサウンドである。何しろ昨年末のあたりから、スレイヤー7枚、マシーン・ヘッド5枚と、マッチョイズムの塊みたいなプロテイン音楽ばかり摂取していたので、趣向の揺り戻しが起きつつあるのだろう。全身約37兆個の細胞が、草食感、ナイーブさ、ねじけたインテリジェンスなどを欲しがっているのだろう。

Raiju - The Kool-Aid (Official Video) - YouTube

こんな具合でややストレートに鋼鉄魂をぶつけてくる楽曲もある。こうなるといよいよプロテスト・ザ・ヒーローを引き合いに出さざるを得ないのだが、それにしたってこのおじさんたちは何者なのか。演奏の腕は一流だのに全然人気がないんだから、音楽で食っているとは思えないし、今後食える見込みもなさそうだし、生活のほうは大丈夫なのか。ふざけている場合なのか。

彼らの音源を入手したい。アルバムの2枚を取り寄せて耳毛が生えるほど聴き込みたい。何しろ細胞が欲しがるサウンドを摂取しておけばまず間違いないだろうぜと思っている。振り返れば3年前の春、BABYMETALに出会い、ぞっこん首ったけになったのも、畢竟そういうことだったんだと信じている。


【リハビリの進捗状況について】
かつてのBABYMETAL熱を取り戻すためのリハビリは、少しずつですが着実に成果を上げているようです。先日などBABYMETALの楽曲だけをシャッフル再生しながら風呂掃除をしました。