あんたのどれいのままでいい

BABYMETAL中毒者の手記

2枚のアルバムを語る

今日までにBABYMETALのアルバムを2枚合わせて500回は聴いたはずである。繰り返し聴くなかで当初はぐにゃぐにゃしていた印象や評価が少しずつ固まってきた。

ここらでそれぞれを総合的に語ってみたい。

1枚目の『BABYMETAL』は「メタルとアイドルの融合」を強く意識して制作されたように思われる。メタルのど真ん中に切り込むんだといった野心や当事者意識はほとんど感じられず、あくまで俯瞰的な、ある意味では部外者的な立場から各種素材をコラージュし、何にしろ新奇なものを世に送り出すことに主眼が置かれている。

こうした姿勢によって『ド・キ・ド・キ☆モーニング』や『いいね!』に代表される実験的かつ挑発的なクロスオーバーが実現した。また、メタル音楽に対する愛のあるいじり、パロディやオマージュ、女の子たちの若さを逆手に取ったような切り口が随所に散りばめられるなど、全体としてほどよく肩の力が抜けた、遊び心満載の作品に仕上がっている。

一方で2枚目の『METAL RESISTANCE』は「サブジャンルとしての『カワイイメタル』の確立」をテーマに制作されたような印象を受ける。前作との決定的な違いはその当事者意識の高さにあり、あくまでメタル村の住人として、ジャンルの一構成員としてのBABYMETALを世に知らしめることに主眼が置かれている。

また、女の子たちの年齢的、技術的な成長にともなって過剰な少女趣味やアイドル性が取り除かれ、さらに多くのリスナー、とりわけメタルファンに訴求する普遍的かつ本格的なアプローチが採用された。こうした舵取りによって前作のカオス感や遊び心は多少薄れたものの、全体としてはしっかりと抑制の効いた、統一感のある作品に仕上がっている。

どちらが上だ下だと順序付けするつもりは寸毫ない。中学校と高校の卒業アルバムを見比べてうんぬんしたって仕方がないのと同じである。強いて言えば2枚目のほうを多めに聴いたような気もするが、まあ誤差の範囲と言っていい。いずれも非常によく出来たアルバムである。

さて、3枚目はいったいどのような内容になるのか。発売予定日だけでも教えてくれたら助かる。たとえそれが何年後であろうと、わたしは毎日カウントダウンのセレモニーを執り行うだろう。

個人的にはディスコがほしい。是非とも70年代ディスコとメタルの融合をお願いしたい。何やらとんでもないことが起こる予感がするのだ。