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あんたのどれいのままでいい

とあるBABYMETAL中毒者の手記

東京ドーム公演(ブラックナイト)ライブレビュー

ライブ
あいにくの荒天にも関わらず、東京ドーム周辺はファンでごった返していた。

半分以上がおっさんである。おっさんの図鑑が作れそうなほどである。一方で意識の高そうな若い男女、かつてのバンギャかもしれないお姉さまもいる。親子連れ、仲良くお越しの老夫婦、コスプレや白塗りもちらほら見える。外国人も絶えず視界に入ってくる。半時間ほど待ったところで開場となった。

自分の席を無事探し当てたわたしは、タイミングを見計らって左隣のおじさまに話しかけた。すると、さらに向こう側のお兄さまも会話に加わってくれ、わたしたちはぎくしゃくしながらも和やかに、三者三様のBABYMETALストーリーを語り合った。

やがて右隣にいかついお兄さんが座った。思い切って水を向けてみたところ、意外や意外、乃木坂48のファンだと言う。例のお姉さん経由でBABYMETALを知ったのだと言う。「まあでも、こっちはアイドルを超えちゃってますけどね」とお兄さんは苦笑するのだった。

そうこうするうちにSEがフェードアウトし、会場全体が闇に包まれた。鬨の声さながら巻き起こる大歓声のなか、わたしは決然として立ち上がり、女の子たちを迎える準備を整えた。

さあ来い。

BABYMETAL DEATH
女の子たちがステージに姿を現した瞬間、足もとで何やら鈍い金属音が聞こえた。味も素っ気もない日常にわたしを縛りつける鋼鉄の鎖がゴトリと外れる音なのだった。わたしは思わず「うおおお来たあああああ!」と叫んだ。

あわだまフィーバー
天空席である。おまけに目が悪い。だからってスクリーンばかり眺めていても仕方がない。わたしは目視確認を半ば諦めた。楽曲はすべて頭に入っているし、神バンドの演奏と女の子たちの声とが導いてくれる。

ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト 
終始トランス状態にあったわたしは、激しく首を振り、ほぼ完璧に合いの手を入れ、キツネサインを掲げ続けた。それ以外に何ができる。あっちが全力ならこっちだって全力である。

META!メタ太郎
感動的な瞬間が訪れる。なんという煽り、なんというシンガロング、なんという一体感。どうだ! 見たか世界中のヘイターども! 女の子たちを悲しませたら俺らキツネ軍団が黙っちゃいないぞ! ウォーウォーウォーだぞこの野郎!

Sis. Anger
ヘッドバンギングが自ずと深さを増す。ぐねんぐねんに乗り倒せる楽曲である。本当はもっと歌いたかったが迷惑になるのでよしておいた。

紅月-アカツキ
広い東京ドームがSU-METALの歌声で満たされる。彼女がわたしの人生に突然飛び込んできてから5ヶ月、この瞬間をどれほど待ちわびたことだろう。不思議と涙は出なかった。彼女がこれからも笑顔いっぱいの人生を送ってくれますようにと祈るばかりだった。

おねだり大作戦
盛り上がりがちょっと尋常ではなかった。いろいろの経緯もあるが改めてよく出来た楽曲だと感じ入る。「ワンフォーザマネー」から「買って買って」を経てコーラスへと向かう流れが抜群で、決して棒立ちを許さない。

NO RAIN, NO RAINBOW
SU-METALの歌声がときに優しく、ときに力強く、会場を埋め尽くす5万5千人の頭上に降り注いだ。わたしはここではじめて感極まって、涙でにじむスクリーンのなかの彼女にこう問いかけた。すぅちゃん、あなたはいったいどこまで行くつもりなんですか?

情感溢れるバラードからのリンリンリンとあって、オーディエンスのテンションが大爆発するのがわかった。地上20メートルのステージでちょこまか踊る女の子たちに内心ひやひやしながらのいまなんじー! くっそ楽しい!

メギツネ
思わずガッツポーズが出た。脳内麻薬がドバドバほとばしり、夢とも現実ともつかない時間が続いた。何回ソレソレしたかわからん。しかしあと何万回でもソレソレできただろう。

ヘドバンギャー!!
永遠の2文字がちらつきはじめたヘドバン煽りの最中、「重音部」のタオルを掲げて土下座ヘドバンするおっさんがスクリーンに映った。そうだ、わたしたち新入りは彼のようなおっさんに感謝すべきなのだ。もちろんあの伝説のホワイト・シャツ・ガイにも。

イジメ、ダメ、ゼッタイ
最後に悪い癖が出てしまった。音楽的興奮がピークに達し、禁断のエアギターをやらかしてしまったのである。それほどまでにすばらしかった。すごかった。すさまじかった。まるで暴風雨の真っ只中で踊り狂うかのような感覚だった。ありがとう女の子たち。ありがとう神バンド。最大限の敬意を込めて。

ウィーアー! ベビーメタール!