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あんたのどれいのままでいい

とあるBABYMETAL中毒者の手記

猫といい勝負

小論文
「あざとさ鑑定士」という国家資格をご存じだろうか。

わたしがこの難関資格を17歳と8ヶ月、すなわち当時の最年少記録で取得したのには理由がある。

謎のアレルギー体質で子どもの頃から苦労が絶えなかったからだ。自然体をよそおう表向きとは裏腹に、計算高く、抜け目のない、利益誘導型のメンタリティが透けて見える人物や物事を目撃するにつけ、架空の下り腹を起こしていたからである。

したがってアイドルは全力で忌避すべき対象であった。アニメのたぐいが最初から論外だったのに加え、10代後半になると漫画すら読めなくなった。音楽で言えばJUDY&MARYに興味を抱いた時期もあったが、YUKIの歌い方やキャラクターにあざとさを感じて結局断念した。

そんなわたしにとって資格試験は針に糸を通すよりも簡単なものだった。何度かのトイレ休憩を必要とはしたが、もっぱら胃腸の訴えるところに従うだけで道は示されるのだった。

さて、ここで専門家(わたしだ)の鑑定による「あざとさの強度」をランキング形式で紹介してみたい。

★★★★★(あざとすぎる) AKB商法、美少女アニメのたぐい、かつての韓流ブーム
★★★★☆(かなりあざとい) 一般的なアイドル、ユニクロのCM、ファンキー加藤
★★★☆☆(あざとい) JUDY&MARYのYUKI宮藤官九郎の脚本、人気漫画全般
★★☆☆☆(ややあざとい)酔ったふりをする女、デ・ニーロの顔芸、チワワ
★☆☆☆☆(あるかなしかのあざとさ)猫

ではプロフェッショナル(わたしである)の眼から見たBABYMETALのあざとさとは、いったいどの程度のものだろうか。

結論から言って猫といい勝負である。

わたしは女の子たちにあざとさを感じない。例の「シーユー!」に続いて身体をちょっと反らす動作に若干のあざとさを認めないでもないが、架空の下り腹を起こすほどではない。

おそらくは大量の「可愛らしい成分」と同時に、受け手の何だこりゃ感を惹起せしめる「へんてこりん成分」、さらには切れ味鋭い踊りと無尽蔵のスタミナとに裏打ちされる「アスリート成分」が相当量含まれているからではないか、というのがわたしの推測になる。

さらに推測を重ねるならば、女の子たちが全精力を傾けるのはあくまでパフォーマンスの研鑽であって、パフォーマンスの研鑽を通じてのみ実感し得る自らの成長、ひいてはBABYMETALの成長こそが、女の子たちにとって現今最大の関心事なのではないか、とこうわたしには思えるのである。だからこそ、そこらへんのアイドルに透けて見える一種の商売っ気から自由でいられるのではないだろうか。

これはもう、あれだ、現役中の室伏広治の境地だ。さもなくば猫である。何かしらひらひらしたやつで一途に遊ぶ猫の境地。