あんたのどれいのままでいい

とあるBABYMETAL中毒者の手記

(1)出会い

わたしがBABYMETALの存在を知ったのは2015年の春頃だったと記憶している。

インターネットという名の糞溜めにキラリと光るそのアルファベット9文字は、わたしの想像力をいたずらに刺激した。ありていに言ってニワトリ並みの想像力をである。

ははーん、さては10代後半の「いかにも」な女の子らがメロイックサインをひらつかせ、カラフルなタトゥーシールを見せびらかしながら、アニメソングばりの商業メタルをまあまあ上手に、外連味たっぷりに演奏するバンドだな。これがわたしの見立てなのだった。

とりあえず動画でもと思った次の瞬間、わたしのモチベーションはにわかに雲散霧消した。そのBABYMETALとやらがメタル音楽をフィーチャーしたアイドルユニットにすぎないという追加情報にぶち当たったからである。

わたしはアイドルに一切興味がない。

生まれてこのかたアイドル歌手に熱を上げたことなどない。

神様はわたしにアイドル歌謡を聴くための鼓膜をお与えにならなかったらしい。

なんだよ!がっかりだぜ!アイドルなんか聴いてられるかっつーの!はい解散!撤収!糞して寝ろ!

BABYMETALとのファーストコンタクトはこのような形であっさりと幕を閉じた。それっきりわたしはそのアルファベットの9文字を記憶の奥底へ追いやった。ほかに聴くべき音楽が、読むべき本が、観るべき映画が、わたしのへその前に長蛇の列をつくっていたのだ。

そうして約1年の月日が流れた。(つづく)